先取り学習の弊害・危険性!やり方次第で失敗を防げる!

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中学受験では、難しい内容を学習するというイメージを持っている方も多いでしょう。
確かに、小学校では学習しないことが、中学入試では多く出題されます。
高度な内容に慣れるために、先取りで学習することを検討する方もいらっしゃいます。
しかし、先取り学習をすることには、賛否両論があります。
私も、先取り学習には大きなリスクがあると考えています。
「リスクがあるから、先取り学習はしない方が良い」ということではありません。
リスクがあるので、仮に先取り学習をするのであれば、そのリスクを小さくすれば問題ありません。
先取り学習をする場合に、リスクを小さくする方法を、事前に考えることが大切です。
つまり、先取り学習をするには慎重になることをお勧めしますが、やり方次第の面もあります。
そこで、そもそも先取り学習の危険性とは何かを述べてから、そのリスクがやり方次第という点について述べていきます。
この記事の主な対象
- 「中学受験するなら先取り学習をさせた方が良いんだよね?」という方
- 「先取り学習はさせない方が良いんだよね?」という方
目次
先取り学習とは?

そもそも「先取り学習」というのが、やや分かりにくい言葉ですね。
この記事では、「まだ習っていないことを先回りで学習すること」を先取り学習とします。
例えば、中学受験において塾に通っている場合であれば、塾で習うことを先回りで学習するのが典型例です。
他にも、まだ塾に通っていなくても、将来塾に通うことを見越して先回りで学習することもあるでしょう。
今回は、それらを合わせて、「先取り学習」として述べていきます。
先取り学習の弊害・危険性

そもそも先取り学習にメリットはあるのかという問題は別として、先取り学習の危険性について述べていきます。
先取り学習の危険性として、注意が必要なのが以下のポイントです。
- 過度な負担
- 新鮮味が薄れる
- 誤った知識や理解の伴わない丸暗記
危険性の中でも、特に「誤った知識や理解の伴わない丸暗記」が重要だと考えています
また、例外として、リスクが大きくならない内容もあります。
例外も含めて、順に説明していきます。

先取り学習をするということは、塾のカリキュラムと比べると、勉強の負担が増えるということです。
一般的には塾のカリキュラムは先取り学習をすることを前提にしていません。
そもそも塾のカリキュラム自体が先取り学習になっています。
入試に必要な全範囲の学習は、塾のカリキュラムに従うだけでも、入試の半年前や一年前には終わります。
つまり、先取り学習は、「先取りの先取り」という、とても高度な内容の勉強をすることになります。
もちろん、勉強の負担が増えても問題ないお子さんもいます。
しかし、人によっては、勉強の負担が大きくなりすぎるというリスクがあります。
そして、勉強の負担が大きくなりすぎとモチベーションが下がるという問題点があります。

先取り学習をすると、先取りしたものを、後日改めて塾の授業などで学習することになります。
一度中途半端に学習したものについては、新鮮味が薄れることがあります。
「もう知っている」と思っている状態で塾の授業を受けると、しっかり集中して授業を聞かないことがあります。

通常のペースで塾の授業で学習するのであれば、プロの先生に教わることになるので、適切な方法で指導されると期待できます。
一方、先取り学習の場合は、塾の先生に頼らず学習することになるでしょう。
もちろん、家庭教師などに教わるのであれば、適切な方法で指導されるでしょう。
しかし、指導方法が適切ではない場合は、誤った知識や理解の伴わない丸暗記になるリスクがあります。
誤った知識や理解の伴わない丸暗記をしてしまうと、事後的に修正するのが難しくなります。
ビジネスの世界も含めて、様々な場面において、第一印象が大切とよく言われます。
私も、家庭教師として第一印象は大切にしています。
第一印象というのは、私と生徒が初めて会ったときの印象ことだけではありません。
勉強の内容についても第一印象が大切です。
初めて学習するときに、変な先入観が染みついてしまうと、それを取り除くのにはとても苦労ります。
第一印象はインパクトが大きいので、普通なら染みつきにくい先入観も、初めてだと染みついてしまうこともあります。
「誤った知識や理解の伴わない丸暗記」が染みついた場合は、まずはそれを取り除くことが必要になります。
取り除く作業は、インプットする作業より大変なんです。
一回強いインパクトで覚えてしまったことは、忘れようと思って忘れられるものではありません。
丁寧に時間をかけて取り除き、そこから改めて最初から学習することになります。
先取り学習をしたことによって、結果的に遠回りになることも珍しくないです。
例えば、一般的には、円の学習をする前に分配法則を学習します。
そうすると、36×3.14+4×3.14を計算するときに、(36+4)×3.14で40×3.14とすることができます。
小数の計算が一回で済むから、ミスもしにくく早くなります。
一方、先取り学習として、分配法則の理解が不十分な状態で円の面積の学習を進めると、以下のようなことが起きることがあります。
36×3.14+4×3.14を36×3.14+12.56にしてしまうということです。
3.14×4=12.56が頭に叩き込まれていて、分配法則を使えない状態に自ら変えてしまいます。
つまり、自ら問題を難しく変えて不利な状況にしているということです。
とはいえ、「3.14×4=12.56」を一旦忘れてもらう、と自由自在にできるものではありません。
「3.14×4=12.56」を使うと、計算が複雑になる場合もあるということを、理解するのに時間をかけることが必要になります。
「3.14×4=12.56」を知らなければ起きなかったミスが起き、それを修正するのに時間がかかるということです。
ちなみに、分配法則が重要な理由は別の記事に書いてあるので、良かったらご覧ください。
また、誤った知識が身につかないとしても、理解が伴っていなければ、「すぐ忘れる」ということが起こります。

先取り学習には、様々なリスクが伴います。
しかし、例外的に、漢字や計算は、先取り学習のリスクが少ないです。
そのうえ、漢字や計算は積み重ねることが大事ですので、先取り学習はメリットが大きいです。
ただし、単純な作業量を増やしすぎると、機械的な作業となって考えない癖がつくリスクもあります。
何を勉強するにしても、メリットもデメリットもあるというのは当然のことですね。
先取り学習の失敗を避けるには慎重に

先取り学習にはデメリットがあるので、先取り学習をするのであれば、デメリットを小さくしたいものです。
まず、一つ目のメリットは「過度な負担」という点でした。
負担をどの程度感じるかは人によりますし、やってみないと分からない部分もありますよね。
「過度な負担」とならないように様子を見ていくことが大事ですね。
また、「誤った知識や理解の伴わない丸暗記」というデメリットを防ぐためには、適切な指導を受けることが大切です。
私も、先取りをすることが効果的だと考えれば、先取りの指導をすることはあります。
とはいえ、仮に適切な指導を受けたとしても、生徒の受け取り方次第で効果は変わります。
「誤った知識や理解の伴わない丸暗記」にならないように意識して指導しても、生徒によっては防ぐことができません。
極めて優秀なお子さんであれば、こちらが少し説明するだけですべて理解するので、特に心配はいりません。
しかし、一般的には、本来の力より高度な内容を指導されても、適切に受け止めることは難しいです。
私は、生徒の力や性格などを見て、何をどの程度、どのような方法で先取りするのが適切か、という細かい判断をしています。
ただし、先取り学習はあくまで余裕がある場合に行うだけです。

先取り学習にはデメリットが大きく、適切に実施するのは難しいです。
その反面、先取り学習のメリットがあるとしても他の方法で補うこともできると考えています。
また、先取り学習をした場合のデメリットを、事後的に消すことは難しいです。
一度学習したものを、学習しなかったことにすることはできません。
その反対に、学習していないものを学習することはできるので、先取り学習には慎重になることをお勧めします。
先取り学習というのは、常にデメリットが付きまとう悪者ということではありません。
適切な方法で先取りしないと、デメリットが付きまとう危険性があるということです。
例えば、先取り学習をすると、必ず「誤った知識や理解の伴わない丸暗記」になるわけではありません。
一般的には、メリットよりデメリットに気を付けるべき場合が多いですが、もちろん個人の実力にもよります。
つまり、やり方次第という面はあるので、適切な方法で実施できるのであれば、実施しても問題ありません。
まとめ
中学受験において先取り学習をすることには、以下の危険性があります。
- 過度な負担
- 新鮮味が薄れる
- 誤った知識や理解の伴わない丸暗記
ただし、例外として、漢字や計算については危険性が小さいです。
先取り学習には危険性があり、それを事後的に回復することが難しいので慎重になることをお勧めします。
しかし、危険性があるとはいっても、程度問題です。
塾のカリキュラムを1ヶ月先取りするだけであれば、内容がそこまで高度でなく、危険性が比較的小さいでしょう。
また、一度学習したことであっても、その後に学習する際も新鮮味をもって集中して学習できる子もいます。
個人差も大きいので、「先取り学習」をさせるべきか否かという唯一絶対の正解はなく、状況によります。
とはいえ、「塾のカリキュラムが合わないから」という理由で先取りをするのはお勧めできません。
ピンポイントで、時々先取りするならまだしも、常に先取りが必要なほど塾のカリキュラムが不適切なら、その塾が合わないということです。
塾が合わないのであれば、先取りをしつつ塾に通うのは効率が悪いです。
先取りによって無理やり合わせるのではなく、他の塾に移ることや、塾に頼らずに学習を進める方法も検討しましょう。
お読みいただき、ありがとうございます。
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