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「毎回必ず宿題を出してください」はNG!?[家庭教師の使い方]

2019/10/07
 

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家庭教師がどのような宿題を出すか気になっている方はいらっしゃるでしょう。

私は、家庭教師をしていると、「毎回必ず宿題を出してください」と言われることがあります。

このように言われると、がっかりします。

「必ず毎回宿題を出す」そう思って指導すると、生徒の力が伸びないからです。

いったいどういうことでしょうか。

今回は、このことについて説明していきます。

この記事の主な対象

  • 家庭教師がどのように宿題を使うか知りたい方
  • 宿題を出して欲しい場合に、家庭教師にどう伝えるか知りたい方

「毎回必ず宿題を出してください」はNG!?

そもそも宿題の目的とはどういうものでしょうか。

様々な目的があるでしょうが、家庭教師の場合は、理解しているかどうかの確認という目的が大きいと思います。

家庭教師による授業を受けるだけでは、内容をきちんと理解しているか分かりません。

授業中に学んだことを、自分で再現できるか、それを確認することは重要です。

そうすることで、弱点なども分かってきますので、またそこを補うという循環にすることができます。

理解しているかどうかの確認が主な目的なので、理解していると分かっているものを宿題にするのは意味がありません

また、理解していないと分かっているものも、この目的では宿題とする意味がありません

もちろん理解していないものであっても、もう一度一人で考えてみたら理解できるということもあり得ます。

ですから、一人でできるものを探すというのも、宿題の目的になりえます。

とはいえ、何十分と悩んでも理解できないことはあります。

時間の効率を考えても、理解しているかどうかの確認が、主な目的になるということです。

理解しているかどうかの確認が目的であれば、宿題の対象は、確認したいものに限られます。

確認したいものがなければ、宿題は必要がないことになります。

しかし、確認したいものがないことはあまりありません。

また、確認が目的ですから、宿題でなかったとしても自主的に行うという選択肢もあります。

理解しているかどうか不安になったらもう一度解いてみる、そのような選択肢はあるわけです。

毎回必ず宿題を出すとどうなる?

では、なぜ「毎回必ず宿題を出してください」がNGなのでしょうか。

それは、指示待ち人間になるリスクがあるからです。

「自分で考える」という作業がなく、課題が与えられるという環境は、指示を待っているだけです。

指示を待っているだけなら、考える作業がないので楽です。

楽な環境にいるときに、わざわざ「自分で考える」という苦労は選びにくいです。

そうすると、 「自分で考える」 力が身につかず、 指示待ち人間になるおそれがあります。

宿題というのは、「ここをやってきて」などと指示するものです。

言われた生徒は、基本的にはそれを宿題として受け入れる以外に選択肢がありません。

つまり、本人の意思とは無関係に勉強内容が決まるということです。

そこには、 「自分で考える」 という作業がありません。

それこそが問題だと考えています。

課題発見力 と課題解決力

私は、成長していくためには、課題発見力課題解決力が重要だと考えています。

課題発見力とは、自分にとって何が課題なのかを自ら考えて、それを見つけ出す力です。

課題解決力とは、自分にとっての課題を自ら解決していく力です。

自らが発見した課題を、自分の力で解決していく、その先に成長があると考えています。

勉強においても、仕事においても同じなので、将来を考えても非常に重要です。

宿題を与えるというのは、課題を与えることです。

課題を与えるということは、課題を発見する作業を、本人にさせないということです。

課題を発見する作業をしなければ、課題発見力は身に付きません。

課題を自分で発見するのは簡単ではありませんが、それを避けていては身に付きません。

毎回必ず宿題を出すことにすると、与えられた課題を解決するだけになります。

つまり、鍛えられるのは課題解決力だけです。

「毎回必ず宿題を出してください」 は、課題発見力を諦めるということなのです。

最初から諦めることなど、できるはずがありません。

「毎回必ず宿題を出してください」という言葉は、私には「諦めてください」と聞こえます。

私は諦めたくありません。

指示待ち人間になるとどうなるか

指示待ち人間になると、どういうことが起きるか、具体的な問題で説明します。

このようなことは、実際に体験したことがあります。

例えば、

問題①: 「牛乳が1Lあります。0.4L飲んだら残りは何Lですか。」

この問題は、小学校でも学習する基礎的な問題です。

この問題は多くの小学生が解けるでしょう。

しかし、この問題は解けても、次の問題になると解けない子もいます。

問題②:「牛乳が1Lあります。0.2Lを2杯飲んだら残りは何Lですか。」

問題①と問題②は、同じ答えになります。

難易度も、少なくとも中学受験をするようなお子さんにとっては高くありません。

しかし、問題①はできても問題②はできないということが起こります。

それは、思考停止しているからです。

問題②を解けない子に、次にように言ってみます。

「0.2Lが2杯だよ。」

こういうだけで、すぐに0.2L×2=0.4Lとできるんです。

「0.2Lが2杯」というのはどういうことか、問題を読んだ時点では考えていないということです。

それを考えるように促されるだけで、すぐにできます。

しかし、0.4Lを求めると、また思考停止します。

「0.4Lをどうするの?割るの?」

こういうことを平気で言ってきます。

問題①なら引き算をすると分かっているのに、牛乳を飲むとどうなるか考えていません。

このような事態を防ぐためにも、 「毎回必ず宿題を出してください」 は避けるべきです。

毎回宿題を出さずにどうする?

このような疑問がある方もいらっしゃるでしょう。

「宿題を出さないと全く勉強しない。宿題を出さずにどうするのか。」

このような疑問はごもっともです。

その疑問にお答えします。

まず、宿題を出してはいけないわけではありません

「毎回必ず」を避けるべきというだけです。

もちろん、宿題を与えられないと何もしない子もいます。

やる気はあっても、何をすればよいか分からない子もいます。

そのような子に宿題を出さずに放置していても、課題発見力は身に付きません。

何もしなければ課題発見力だけではなく、課題解決力も身に付きません。

私は、宿題を出さないとできない子には、宿題を出すこともあります

しかし、最終的には自分から進んで課題を見つけられることを目指して、宿題を出します。

もちろん実現するのは難しいですが、それを理想として意識します。

ですから、毎回宿題を出すための宿題ではなく、徐々に自分でできるようにするための宿題です。

最初は、「ここやってきて」と指示することもあります。

しかし、それでは本人の意思が関与しませんから、徐々に本人の意思の関与を大きくしていくことを目指します。

少しずつ補助輪をを外していくのを目指すということです。

例えば、「ここやってきて」から、「ここやった方が良いよ」に変えてみます。

そうすると、それをやるかどうかの最終決定には本人に委ねられることになります。

このように、

「ここやってきて」

「ここやった方が良いよ」

「ここやってみたら?」

「何やる?」

などと、差し伸べた手を、徐々に引っ込めていきます。

もちろん、このセリフは一つの例です。

生徒の性格などによっても変わってきます。

あくまで理想ですから、結果的に毎回宿題を出すことになるということもあり得ます。

また、入試までの日数が短いなどの特別の事情があれば、宿題を出すことを優先することもあります。

まとめ

「毎回必ず宿題を出してください」は、基本的にNGだと考えています。

課題発見力を身に付けることができなくなるからです。

とはいえ、宿題を出されないと勉強しない子もいます。

「最初のうちは宿題を出してください」などであれば問題ありません。

「毎回必ず」と決めつけていることが問題ということです。

少しずつ本人の意思の関与を大きくしていき、課題発見力と課題解決力を身に付けるのが理想です。

入試直前などで、悠長なことを言ってられないこともあります。

そのような場合は、 「毎回必ず宿題を出してください」 でも仕方ないかもしれません。

お読みいただき、ありがとうございます。
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